少しずつ、少しずつ、狂っていった…
何がいけなかったのか。
一体どこを、間違えたのか…
叩き付けられた時の衝撃が、
今も体に残っている。
きつく縛られ鬱血した手首の感覚が、
まるで昨日のことのように鮮やかで…
強く絞められた首からは酸素なんて入らなくて、
朦朧と遠のく意識の片隅で、
『…ころ…して…』
絞り出した自分の声だけが、
やけに鮮明に響いた。
私から全てを奪って逃げ出したあの人を、
今もまだ、
許せないでいる…